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第10回 グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬(リンゼス®錠)

    新薬

グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬2017年3月、グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬のリンゼス®錠(一般名:リナクロチド)が発売されました。下痢型IBS治療薬としては5-HT3受容体拮抗薬のイリボー®錠(一般名:ラモセトロン塩酸塩)がありますが、便秘型IBSとしては日本で最初の適応になります。

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)は、ブリストル便形状尺度に基づいて、下痢型(IBS-D)、便秘型(IBS-C)、混合型(IBS-M)、分類不能型(IBS-U)の4タイプに分類され、男性は下痢型、女性は便秘型が多いという特徴があります。リンゼス®錠は、14個のアミノ酸からなるグアニル酸シクラーゼC受容体作動薬です。

腸管の表面にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を活性化することにより、細胞内のサイクリックGMP濃度を増加させ、腸管分泌促進作用、小腸輸送能促進作用、および大腸痛覚過敏改善作用を示すと考えられます。

同じ粘膜上皮機能変容薬に分類されるアミティーザ®カプセル(一般名:ルビプロストン)の作用機序はクロライド・チャネルの活性化、適応は慢性便秘症、副作用は下痢と悪心、妊婦は投与禁忌になります。

これに対しリンゼス®錠は腸管分泌を増やす点は同じですが、腹痛・腹部不快感を改善するので、便秘型IBSの適応を取得しました(慢性便秘は申請中)。主な副作用は下痢で、妊婦には禁忌ではありません。吸収性は低く、ほとんど検出限界以下です。食後投与により軟便、排便回数が多くなったため、用法は食前投与になりました。吸湿性のため、無包装状態での保存や錠剤の一包化は避けます。小児適応は使用経験がないためありませんが、2歳以下の乳幼児は、成人に比べて重篤な下痢のリスクが高まるおそれがあります。なお、海外では18歳未満は枠組み警告(Boxwd Warning)になっています。

※IBS with diarrhea, IBS with constipation,mixed IBS,unsubtyped IBS

商品名 リンゼス®錠0.25㎎
一般名 リナクロチド
会社 アステラス製薬(株)
用法・用量 通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。
なお、症状により0.25mgに減量する。
適応 便秘型過敏性腸症候群
使用上の注意 便秘型過敏性腸症候群治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、
症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮すること。
副作用 主な副作用は下痢。重度の下痢が現れるおそれがあり、
発現した場合は減量または投与を中止し、水分補給を検討するなど適切な処置を行う。
薬価 89.90円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。