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第11回 慢性便秘症治療薬、胆汁酸トランスポーター阻害薬(グーフィス®錠)

    新薬

グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬2018年4月、胆汁酸トランスポーター阻害薬のグーフィス®錠(一般名:エロビキシバット水和物)が発売されました。適応症は、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)で、世界初の胆汁酸トランスポーター阻害薬になります。

便秘治療薬には、膨張性下剤(カルメロースナトリウムほか)、浸潤性下剤(カサンスラノール・ジオクチルソジウムスルホサクシネートほか)、大腸刺激性下剤(センノシド、ピコスルファートナトリウム水和物ほか)、塩類下剤(酸化マグネシウム)および上皮機能変容薬(ルビプロストン)などがあります。しかし、酸化マグネシウムは高齢者では高マグネシウム血症のリスクのため慎重投与、刺激性下剤は長期連用による耐性または習慣性の問題、ルビプロストンには悪心などが高頻度で発現する等の課題があります。

胆汁酸は、脂肪の吸収に必要な物質で、肝臓で生合成され、胆嚢から十二指腸へ分泌されます。分泌された胆汁酸の約95%は胆汁酸トランスポーター(ileal bile acid transporter:IBAT)により再吸収され、再び肝臓で再利用される、いわゆる腸肝循環が行われています。再吸収されなかった胆汁酸は、大腸内で水分を分泌させ、消化管運動を促進します。
   
グーフィス®錠は、回腸末端部にある胆汁酸トランスポーターを阻害することで、胆汁酸の再吸収を抑制し、大腸内の胆汁酸量を増加させます。その結果、大腸内の水分および電解質分泌が促進され、さらに消化管運動が亢進されることにより便秘が改善されます。食事により胆汁酸が分泌される前に服用することが望ましいため、食前投与になります。上皮細胞に直接作用し、ほとんど吸収はされません。高脂血症改善薬の探索において見出された化合物を基に開発された薬なので、コレステロールを低下させる作用もあります。
また、主な副作用は、軽度の腹痛と下痢です。既存の便秘治療薬とは異なる作用機序のため、新たな選択肢として期待されています。

商品名 グーフィス®錠5㎎
一般名 エロビキシバット水和物
会社 EAファーマ(株)、持田製薬(株)
用法・用量 通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。
適応 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
相互作用
(併用注意)
胆汁酸製剤、アルミニウム含有制酸剤、コレスチラミン、コレスチミド、
P‐糖蛋白質阻害薬(ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)、ミダゾラム
副作用 主な副作用は腹痛や下痢、ほかに下腹部痛、腹部膨満、悪心など
薬価 105.80円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。