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第12回 経口抗ヘルペスウイルス薬(アメナリーフ®錠)

    新薬

経口抗ヘルペスウイルス薬2017年9月、帯状疱疹治療薬のアメナリーフ®錠(一般名:アメナメビル)が発売されました。腎機能による減量が不要な新規作用機序の抗ヘルペスウイルス薬です。

水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster virus:VZV)に感染すると、約2週間の潜伏期間を経て水痘(水ぼうそう)になります。水痘は1週間程度で自然治癒しますが、VZVは体内の神経節に不活性状態で潜伏感染しています。過労やストレスなどで、免疫力が低下すると、VZVは再活性化されて帯状疱疹を発症します。一度水痘に罹れば、生涯発症しないとされていましたが、少子化や水痘ワクチンの定期接種などでブースター効果が減少すると、複数回罹患するケースが増えてきました。特に50歳以降に発症すると、皮疹消退後に帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia:PHN)が残ることが多くなりました。

核酸アナログ製剤のゾビラックス®(一般名:アシクロビル)、そのプロドラッグであるバルトレックス®(一般名:バラシクロビル)、ファムビル®(一般名:ファムシクロビル)は1日3~5回の服用と腎排泄型のため腎障害時に減量する必要がありました。アメナリーフ®は、ヘルペスウイルスのDNA複製に必須酵素であるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体を阻害して抗ウイルス作用を発現します。1日1回の服用で高いウイルス活性を示し、既存の抗ヘルペスウイルス薬とは作用機序が異なるので交差耐性はありません。主に肝臓のCYP3Aで代謝され、胆汁から糞中に排泄されます。このため腎機能の程度に応じた用量調節は不要です。CYP3A及び2B6の代謝酵素を誘導するので、同じくCYP3A誘導作用のあるリファンピシンとの併用は、作用減弱のおそれがあるので併用禁忌になります。

商品名 アメナリーフ®錠200㎎
一般名 アメナメビル
会社 マルホ(株)
用法・用量 通常、成人にはアメナメビルとして1回2錠(400mg)を1日1回食後に経口投与する。
原則として7日間使用すること。
適応 帯状疱疹
相互作用 【併用禁忌】リファジン(一般名:リファンピシン)
【併用注意】CYP3Aの基質、誘導、阻害となる薬剤、グレープフルーツジュース、シクロスポリン、セイヨウオトギリソウ含有食品、CYP2B6の基質となる薬剤など
副作用 β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、α1ミクログロブリン増加、フィブリン分解産物増加、心電図QT延長など
薬価 1,437.10円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。