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第13回 抗血小板薬(ブリリンタ®錠)

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経口抗ヘルペスウイルス薬2017年2月、抗血小板薬のブリリンタ®錠(一般名:チカグレロル)が発売されました。適応は、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群と心筋梗塞慢性期の血栓性イベント(心血管死、脳卒中)の発生抑制です。

ADP(アデノシン二リン酸)受容体阻害剤としては、パナルジン®(一般名:チクロピジン塩酸塩)、プラビックス®(一般名:クロピドグレル硫酸塩)、エフィエント®(一般名:プラスグレル塩酸塩)に次ぐ、4成分目になります。前3剤はチエノピリジン系ですが、チカグレロルはシクロペンチルトリアゾロピリミジン群に分類される新規化合物です。作用機序は、チエノピリジン系薬と同様に血小板のADP受容体(P2Y12受容体)を阻害して、ADPによる血小板凝集を抑制します。チエノピリジン系薬は不可逆的阻害のため、手術前に10~14日以上の休薬が必要ですが、チカグレロルは可逆的阻害のため消失が早く、5日以上の休薬で十分です。また、作用発現に代謝活性を必要とするプロドラッグではないため、投与後早期からの血小板凝集阻害作用が得られます。

相互作用は、CYP3Aで代謝されるため、強いCYP3A阻害剤や強いCYP3A誘導剤と併用すると、作用が増強あるいは減弱するので併用禁忌になります。
副作用として出血傾向(皮下出血、内出血の増加など)、呼吸困難(投与初期の息切れなど)などが認められており、重大な副作用として、出血(頭蓋内出血、消化器系出血など)、アナフィラキシー、血管浮腫が報告されています。

商品名 ブリリンタ®錠 60mg / 90mg
一般名 チカグレロル
会社 アストラゼネカ(株)
用法・用量 <急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)>
通常、成人には、チカグレロルとして初回用量を180mg、
2回目以降の維持用量を90mgとして、1日2回経口投与する。
<陳旧性心筋梗塞>*陳旧性とは、慢性期の意味。
通常、成人には、チカグレロルとして1回60mgを1日2回経口投与する。
適応 ・経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群
(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
・陳旧性心筋梗塞(65歳以上、他、条件あり) 
アスピリンと併用し、アスピリンと併用する他の抗血小板薬が困難な場合。
相互作用 【併用禁忌】強いCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)、
強いCYP3A誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピンなど)
副作用 呼吸困難、皮下出血、鼻出血、出血、穿刺部位出血など
薬価 60mg:100.30円 90mg:141.40円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。