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第21回 抗精神病薬(レキサルティ錠)

 2019/06/03   新薬

統合失調症2018年4月、抗精神病薬のレキサルティ錠(一般名:ブレクスピプラゾール)が発売されました。

第一世代の定型抗精神病薬は、ドパミンD2受容体遮断作用による錐体外路症状(EPS)の副作用が多いことが課題でした。

第二世代(非定型抗精神病薬)のセロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)は、セロトニン5HT2A遮断作用によりEPSは軽減されましたが、体重増加、高脂血症や糖尿病などの代謝障害、高プロラクチン血症など、新たな副作用が発現しました。ドパミン部分作動薬(ドパミン・パーシャル・アゴニスト:DPA)のエビリファイ(一般名:アリピプラゾール)は、ドパミンD2受容体の部分アゴニスト作用によりEPSは軽減されましたが、興奮や不眠、アカシジアなど別の副作用が発現しました。

レキサルティは、ドパミンD2受容体の部分アゴニスト作用を弱め、セロトニン系には、セロトニン5HT1A受容体に部分アゴニストとして、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして強力に作用します。これにより不眠やアカシジアは軽減され、SDAとDPAの両方のプロファイルを持つことからセロトニン-ドパミン・アクティビティ・モジュレーター(SDAM:エスダム)と呼ばれます。

エビリファイは警告に高血糖が記載されていますが、レキサルティは警告ではなく副作用の項にあります。主にCYP3A4、2D6により代謝され、CYP3A4、2D6阻害薬とは相互作用があります。日本人は2D6の低活性型(プワー・メタボライザー:PM)が1%未満おり、投与量の調整が必要になります。海外では、統合失調症のほかに、大うつ病性障害の補助療法の適応が承認されています。

商品名 レキサルティ
一般名 ブレクスピプラゾール
会社 大塚製薬(株)
用法・用量 通常、成人にはブレクスピプラゾールとして1日1回1mgから投与を開始した後、4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2mgを経口投与する。
用法及び用量に関連する使用上の注意 CYP2D6阻害剤又は強いCYP3A4阻害剤のいずれかを併用 1回1mgを1日1回
CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者
CYP2D6阻害剤及び強いCYP3A4阻害剤のいずれも併用 1回1mgを2日に1回
CYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者が強い
CYP3A4阻害剤を併用
適応 統合失調症
重要な基本的注意 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること
副作用 アカシジア、傾眠、不眠症、頭痛など(市販直後調査より)
薬価 1mg:268.90円 2mg錠:509.20円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。