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第23回 免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ点滴静注)

 2019/08/01   新薬

免疫チェックポイント阻害薬2017年2月、免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダ点滴静注〔一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)〕が発売されました。

PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)を標的としたモノクローナル抗体による抗がん薬です。免疫監視機構は、病原体やがん細胞から自己を守るシステムです。異常細胞を攻撃する、一方で、正常細胞は攻撃しないようにするブレーキ(免疫チェックポイント)もあります。

1992年にT細胞の細胞死(アポトーシス)を制御する物質として、PD-1(プログラムドセル・デス・ワン)が発見されました。その後の研究で、がん細胞は細胞表面にPD-1のリガンド(受容体:PD-L1/PD-L2)を過剰に発現し、T細胞のPD-1と結合して免疫回避をしていることが分かりました。

PD-1阻害薬は、PD-1とリガンドの結合を阻害することで、免疫応答を再び活性化しました。京都大学の本庶佑名誉教授は、がん治療を根本的に変える薬の開発により、2018年にノーベル賞を受賞しました。

キイトルーダは、2014年9月に発売されたニボルマブ(オプジーボ)に続く、2番目の抗PD-1抗体製剤です。癌腫により異なりますが、概ね高い奏功率を示し、全生存期間の延長も報告されています。反面、がん細胞により抑制されていた免疫系が暴走し、従来の殺細胞性抗がん薬とは異なる免疫関連副作用(イムノ・リレイテド・アドバース・イベント:irAEs)を発現します。

間質性肺疾患、大腸炎・重度の下痢、1型糖尿病、甲状腺機能障害など、全身の臓器に発現し、発現時期も不明なため、投与中止後も十分な注意が必要になります。

商品名 キイトルーダ点滴静注
一般名 ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)
会社 MSD(株)
適応 悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
用法・用量 【悪性黒色腫】
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
【その他の適応癌腫】
通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
コンパニオン診断検査 非小細胞肺がんのコンパニオン診断として、PD-L1の発現状況を調べるPD-L1検査
MSI-High固形癌(子宮内膜癌、胃腺癌、小腸癌、結腸・直腸癌など)のコンパニオン診断として、5種類のマーカーを調べるMSI検査キット
副作用 間質性肺疾患、大腸炎・重度の下痢、重度の皮膚障害、神経障害、内分泌障害、1型糖尿病、腎機能障害、膵炎、筋炎・横紋筋融解症、重症筋無力症、心筋炎、脳炎・髄膜炎、重篤な血液障害、血球貪食症候群、点適時の過敏症反応、ぶどう膜炎
薬価 点滴静注20mg:75,100円 点滴静注100mg:364,600円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。