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第25回 乾癬治療薬(ルミセフ皮下注)

 2019/10/01   新薬

乾癬治療薬2016年9月、乾癬治療薬のルミセフ皮下注〔一般名:ブロダルマブ(遺伝子組換え)〕が発売されました。乾癬はT細胞性免疫に基づく慢性炎症性皮膚疾患で、TNF-α→IL23/Th17→IL-17という経路でサイトカインが関与します。ルミセフは、最下流のIL-17受容体Aに作用する世界初の薬です。

乾癬の治療は、軽度から中等度では副腎皮質ステロイドやビタミンD3誘導体による外用療法、中等度から重度では光線療法(紫外線照射)、免疫抑制薬やビタミンA誘導体による内服療法、最重度では、サイトカインをターゲットにした生物学的製剤があり、治療成績は飛躍的に向上しました。

乾癬の病態メカニズムは、①何らかの刺激によりTNF(腫瘍壊死因子)-αが放出され、樹状細胞が活性化される。②樹状細胞はIL(インターロイキン)-12、IL-23などを産生し、③ナイーブTリンパ球をTh(ヘルパーT細胞)-17に分化誘導する。④Th-17は、IL-17A、IL-17F、IL-17CなどのIL-17ファミリーを産生して、皮膚や関節で慢性的な炎症を惹起するという免疫系の過剰反応が考えられています。

炎症性サイトカインを抑制する治療薬として、TNF-α阻害薬(アダリムマブ、インフリキシマブ)、IL-12/23p40阻害薬(ウステキヌマブ)、IL-17A阻害薬(セクキヌマブ、イキセキズマブ)、IL-23p19阻害薬(グセルクマブ、リサンキズマブ)があります。ルミセフは、IL-17Aの受容体に特異的に結合して、IL-17受容体を介するサイトカインを阻害し、乾癬の多彩な症状を改善します。

投与方法は、腹部、上腕部、大腿部などに皮下注射します。免疫を抑える作用があるため、結核、B型肝炎、C型肝炎などの感染症リスク増大に注意します。また、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、風疹、麻疹、おたふくかぜ、BCGなどの生ワクチンの接種はできません。

商品名 ルミセフ皮下注
一般名 ブロダルマブ(遺伝子組換え)
会社 協和キリン(株)
適応 既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
用法・用量 通常、成人にはブロダルマブ(遺伝子組換え)として1回210mgを、初回、1週後、2週後に皮下投与し、以降、2週間の間隔で皮下投与する
禁忌 重篤な感染症の患者、活動性結核の患者、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用 上気道感染、 鼻咽頭炎、頭痛、関節痛、そう痒症、疲労、口腔カンジダ症
保存方法 箱に入れたまま、冷蔵庫(2~8℃)で保存
薬価 210mg1.5mL1筒 74,513円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。