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第26回 B型肝炎治療薬(ベムリディ錠)

 2019/11/01   新薬

B型肝炎治療薬2017年2月、B型肝炎治療薬のベムリディ錠(一般名:テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)が発売されました。

ゼフィックス(ラミブジン;LAM)、ヘプセラ(アデホビル ピボキシル;ADV)、バラクルード(エンテカビル水和物;ETV)、テノゼット(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩;TDF)に続く、5剤目の核酸アナログ製剤です。B型慢性肝炎治療薬には、インターフェロン(IFN)製剤と核酸アナログ製剤があります。B型肝炎ウイルス(HBV)はDNAウイルスですが、宿主の肝臓内で逆転写酵素を使って、RNAを鋳型にDNAを合成して増殖するのが大きな特徴です。

核酸アナログ製剤は、もともとはヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療用に開発された逆転写酵素阻害薬です。HBVの逆転写酵素を抑制することが分かり、B型肝炎に保険適応となりました。しかし、体内からB型肝炎ウイルスを完全に除去することは難しく、長期間の服用が必要になります。薬剤によっては耐性変異が生じやすく、尿細管障害に伴う腎障害、低リン血症による骨障害などの課題が残りました。

ゼフィックスは耐性変異率が高く、ヘプセラは単独投与では耐性と腎障害のため第一選択薬になりません。現在、第一選択薬として、バラクルードとテノホビルのプロドラッグであるテノゼット、ベムリディが推奨されています。テノホビルは、腸管からは吸収されません。プロドラッグ化することで、腸管から血中へ移行し、標的細胞である肝細胞に取り込まれます。テノゼットは血中でテノホビルに加水分解されやすく、大部分が近位尿細管から排泄されます。そのため腎機能や骨密度への影響が懸念されます。

ベムリディは、側鎖にホスホンアミデートを導入することで血中の安定性を高め、肝細胞に効率よく取り込まれ、肝臓内で活性化されます。テノゼットの1/10以下の用量で同等の抗ウイルス効果を示し、曝露量の減少により腎機能や骨密度への影響を軽減しました。腎機能低下および肝機能低下による用量調節は不要です。

商品名 ベムリディ
一般名 テノホビル アラフェナミドフマル酸塩
会社 ギリアド・サイエンシズ(株)
適応 B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制
用法・用量 通常、成人にはテノホビル アラフェナミドとして1回25mgを1日1回経口投与する(空腹時、食後のいずれでも投与可能)
併用禁忌 リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(強力なP糖蛋白の誘導作用により、効果が減弱する)
副作用 主な副作用として、吐き気、疲労、頭痛、腹部膨満など
薬価 25mg錠 971.70円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。