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第27回 COPD治療薬

 2019/12/02   新薬

COPD治療薬吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の3成分を配合したトリプル吸入薬が登場しました。

2019年5月に発売されたテリルジー(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩)と同年9月のビレーズトリ(ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)です。

呼吸器疾患の概念として、アレルギーが関与する気管支喘息、長期のタバコ煙が原因のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息とCOPDを合併するACO(Asthma-COPD Overlap)があります。喘息は慢性の気道炎症が主病態で、ICSが第一選択薬になります。COPDは、労作時の呼吸困難を改善する気管支拡張薬が中心となり、副交感神経を抑制するLAMAと交感神経を刺激するLABAがあります。

COPDガイドライン[第5版]では、LAMA(あるいはLABA)と優先順位を付け、喘息要素のないCOPDにICSを追加すると肺炎リスクを上げる懸念があるため、ICSの使用を喘息病態合併のACO(エイコ)に限定しました。今回のトリプル吸入薬の適応は、COPDだけです。適する症例は、喘息病態合併を含むICS/LABA、あるいはLAMA/LABAで増悪を繰り返すCOPDとされます。なお、ICSが中用量なので、重症喘息のコントロールには不十分な可能性があります。

両剤は、1日1回と2回の用法の違いのほか、吸入デバイスが異なります。pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)は、薬が噴射されるので努力呼吸は不要ですが、噴射と吸入のタイミングを合わせる必要があります。DPI(ドライパウダー定量吸入器)は、自力で吸い込むため同調の必要はありませんが、十分な流量を得るだけの吸気力が必要になります。

商品名 テリルジー100エリプタ ビレーズトリ・エアロスフィア
一般名 フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩 ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物
会社 グラクソ・スミスクライン(株) アストラゼネカ(株)
用法・用量 通常、成人には、1回1吸入を1日1回吸入投与する。 通常、成人には、1回2吸入を1日2回吸入投与する。
適応 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
吸入デバイス エリプタ(DPI) エアロスフィア(pMDI)
同効成分薬 レルベア+エンクラッセ
アノーロ+アニュイティ
シムビコート+シーブリ
ビベスピ+パルミコート
薬価 14吸入:4,183.50円
30吸入:8,853.80円
56吸入:4,150.30円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。