2018年11月、モビコールⓇ配合内用剤(一般名:マクロゴール4000ほか)、2019年2月、ラグノスⓇNF経口ゼリー(一般名:ラクツロース)が発売されました。欧米では、慢性便秘症の基準薬としてガイドラインで評価の高い薬です。
慢性便秘症治療薬は、浸透圧性下剤の酸化マグネシウムや刺激性下剤のセンノシドなどが汎用されてきました。2012年に、32年振りの新薬となるアミティーザⓇカプセル(一般名:ルビプロストン)が登場すると、2017年スインプロイクⓇ錠(一般名:ナルデメジントシル酸塩)、リンゼスⓇ錠(一般名:リナクロチド)、2018年グーフィスⓇ錠(一般名:エロビキシバット水和物)と新薬が相次いで発売され、『慢性便秘症診療ガイドライン2017』が作成されました。
モビコールⓇは、ポリエチレングリコール(PEG)製剤として初めて小児適応を取得しました。非吸収性で安全性が高く、用量の調節が容易です。欧米では第一選択薬に位置づけられています。日本では大腸内視鏡検査前の経口腸管洗浄剤(モビプレップⓇ他)しかなく、日本小児栄養消化器肝臓学会から小児の慢性便秘症に対する早期開発が要望されていました。なお、主成分のマクロゴールと塩類下剤のマグコロールⓇ(一般名:クエン酸マグネシウム)は名称が類似しているので注意して下さい。
ラグノスⓇNF経口ゼリーは、ラグノスⓇゼリーの原薬であるラクツロースを純度の高い結晶ラクツロースに変更し、夾雑物のガラクトースや乳糖を1%以下に減らしました。成人の慢性便秘症を適応追加し、慎重投与の項から糖尿病の患者が削除されました。
商品名 | モビコールⓇ配合内用剤 | ラグノスⓇNF経口ゼリー分包12g |
一般名 | マクロゴール4000/塩化ナトリウム/炭酸水素ナトリウム/塩化カリウム | ラクツロース |
会社 | EAファーマ(株)/持田製薬(株) | (株)三和化学研究所 |
適応 | 慢性便秘症 | 慢性便秘症 高アンモニア血症に伴う下記症候の改善 精神神経障害、手指振戦、脳波異常 産婦人科術後の排ガス・排便の促進 |
用法・用量 | 【2歳以上7歳未満】 初回:1日1回1包 最大:1日4包 【7歳以上12歳未満】 初回:1日1回2包 最大:1日4包 【成人及び12歳以上】 初回:1日1回2包 最大:1日6包 増量:2日以上の間隔をあけて行う |
【慢性便秘症】 初回:1日2回、1回2包 最大:1日6包 (以下、略) |
併用注意 | なし | α-グルコシダーゼ阻害剤 |
副作用 | 主な副作用は、下痢、腹痛 | 主な副作用は、下痢、腹部膨満、腹痛 |
薬価 | 1包 85.00円 | 1包 45.50円 |
使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。