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第32回 フィブラート系薬(パルモディア錠)

 2020/05/01   新薬

脂質異常症治療薬2018年6月、脂質異常症治療薬のパルモディア錠(一般名:ペマフィブラート)が発売されました。ベザトールSR(一般名:ベザフィブラート)、リピディル/トライコア(一般名:フェノフィブラート)などに続く5剤目のフィブラート系薬剤です。

脂質異常症治療薬は、LDL-コレステロールを低下させるHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコールと、中性脂肪(TG)を低下させるフィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、EPA製剤などがあります。フィブラート系薬剤は、TGの低下作用とHDL-コレステロールの増加作用があり、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化疾患を予防することが期待されています。

作用機序は、DNA転写を調節するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)αを活性化させて、①肝臓で遊離脂肪酸からTG合成の抑制、②TGを分解するLPL(リポ蛋白リパーゼ)の活性化作用などです。PPARは、α、γ、δの3つのサブタイプがあり、αは脂質代謝(フィブラート系薬剤)、γはインスリン抵抗性(チアゾリジン誘導体)に関与しています。従来型フィブラート系薬剤は、ほとんどが腎排泄型で、PPARαへの選択性が低く、肝障害や腎障害などの副作用が懸念されます。

パルモディア錠は、胆汁排泄型であり、肝障害、腎障害の影響が軽減された薬剤です。PPARα(ピーパーアルファ)の選択性が高く、脂質代謝に関わるPPARαの標的遺伝子だけを調節するので、選択的PPARαモジュレーター(スパームアルファ)と呼ばれます。フィブラート系薬剤とスタチンの併用により横紋筋融解症のリスクが高まりますが、2018年に「原則禁忌」から「重要な基本的注意」に改訂されました。ただし、中等度以上の腎障害では禁忌になります。主としてCYP2C8、CYP2C9、CYP3Aにより代謝され、併用禁忌薬もあるので注意が必要です。

商品名 パルモディア錠0.1mg リピディル錠/トライコア
一般名 ペマフィブラート フェノフィブラート
会社 興和(株) あすか製薬(株)/帝人ファーマ(株)
適応 高脂血症(家族性を含む)
用法・用量 1回0.1mgを1日2回朝夕
最大用量は1回0.2mgを
1日2回まで
1日1回106.6mg〜160mg食後
最大服用量は1日160mgまで
禁忌 重篤な肝障害、中等度以上の腎障害、胆石患者、妊婦、シクロスポリン、リファンピシン投与中の患者 肝障害、胆嚢疾患、中等度以上の腎障害、妊婦・授乳婦
薬価 0.1mg錠34.20円 53.3mg錠24.60円
80mg錠32.10円

使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。

※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。