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第3回 がん疼痛治療薬(ナルラピド®&ナルサス®) 

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がん疼痛治療薬2017年6月19日、がん疼痛治療薬のヒドロモルフォン塩酸塩製剤、ナルラピド®錠(即放性)とナルサス®錠(徐放性)が発売されました。

ヒドロモルフォンは、1920年代にドイツで合成された選択的μオピオイド受容体作動薬です。モルヒネより強力な強オピオイド鎮痛剤で、世界45の国と地域で使用されています。WHO(世界保健機関)や欧州緩和ケア学会(EAPC)等のガイドラインで、モルヒネやオキシコドンと同様に標準薬とされ、オピオイドスイッチングに欠かせない薬として位置付けられています。日本緩和医療学会および日本緩和医療薬学会から早期開発・承認の要望書が提出され、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上必要であるとされました。

ナルラピド®錠は、服用後15~30分で作用が発現し、突出痛にレスキュー薬として用いられます。narcotic(麻薬)+rapid(急速)からナルラピドと命名されました。ナルサス®錠は、持続的な疼痛に1日1回で定時投与されます。narcotic(麻薬)+sustain(持続)からナルサスと命名されました。
ヒドロモルフォンは、チトクロームP450(CYP)の代謝は受けないので、CYPによる薬物相互作用の可能性は低くなります。

経口投与の効力比は、ヒドロモルフォン6mg=モルヒネ30mg(1:5)になります。ヒドロモルフォンは腎機能障害、肝機能障害患者への投与で血中濃度に変動があり、薬物間相互作用も各オピオイド間で異なるため、オピオイドスイッチング時は、投与量に注意する必要があります。現在、新たな剤形として、注射剤が申請中です。

商品名 ナルラピド錠 1mg、2mg、4mg ナルサス錠 2mg、6mg、12mg、24mg
一般名 ヒドロモルフォン塩酸塩 ヒドロモルフォン塩酸塩
販売会社 第一三共(株) 第一三共(株)
用法・用量 4~24mgを1日4~6回分割投与、症状により適宜増減 4~24mgを1日1回投与。症状により適宜増減
適応 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
作用機序 μオピオイド受容体に作用 μオピオイド受容体に作用
排泄経路 グルクロン酸抱合→腎排泄 グルクロン酸抱合→腎排泄
副作用 傾眠、悪心、便秘、嘔吐 悪心、嘔吐、傾眠、便秘
薬価 1mg: 110.60円/2mg: 202.80円
4mg: 371.90円
2mg: 202.80円/6mg: 530.20円
12mg: 972.20円/24mg: 1,782.80円
使用に際しては、添付文書を必ずお読み下さい。
※掲載している内容は、現在の情報です

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。