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【お薬ランキング】片頭痛治療薬

 2017/09/20   お薬ランキング

出典:医療情報総合研究所(JMIRI) 無断転載禁止

本記事は、南山堂発行『治療』にて連載中の「お薬ランキング(99巻7号、867ページ、2017年)」に掲載されたものです。

片頭痛の急性期治療薬には,①アセトアミノフェン,②非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),③エルゴタミン製剤,④トリプタン系薬,⑤制吐薬があります.
トリプタン系薬は,スマトリプタン,リザトリプタン,エレトリプタン,ゾルミトリプタン,ナラトリプタン(アマージ®)の5製剤があり,『慢性頭痛の診療ガイドライン』で,すべて推奨グレードAになっています.予防療法は,β遮断薬のプロプラノロール,メトプロロール,抗てんかん薬のバルプロ酸,トピラマート,三環系抗うつ薬のアミトリプチリンがグレードA,カルシウム拮抗薬のロメリジンはグレードBとなっています.

全国の保険薬局から収集した大規模な処方データを分析する医療情報総合研究所(JMIRI)のデータで片頭痛治療薬をみると,1位はロメリジン,2位以下はトリプタン系薬で,スマトリプタン,リザトリプタン,エレトリプタン,ゾルミトリプタンの順です.ロメリジンは予防療法のため,頓用で用いるトリプタンより処方シェアが上位になりました.

なお,ほかの予防薬は片頭痛以外の使用が多いので,今回の集計には入っていません.トリプタン系薬は薬理学的な特性に差異があるだけでなく,患者によっても効果は違います.スマトリプタンは経口,点鼻液,皮下注と剤形が豊富で,リザトリプタンとゾルミトリプタンは口腔内崩壊錠があるため吐き気や嘔吐をともなう発作に有用です.リザトリプタンは立ち上がりが早く,ゾルミトリプタンは脂溶性が高いので中枢移行性に優れ,エレトリプタンは約3時間,ナラトリプタンは約5時間と半減期が長いため再発の多い患者に適しています.
 

南山堂「治療」
南山堂「薬局」

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連載について

本連載記事(スピンアップ新薬)は、薬剤師の先生方をはじめとした医療従事者や薬学生の方に向け、新薬や医薬品に関する情報や浜田氏ならではの知見など、役に立つ情報を発信していきます。
また、南山堂発行の月刊誌「治療」「薬局」で過去に掲載した浜田氏の連載記事もあわせて公開していきます。

著者プロフィール

浜田康次氏

浜田 康次(はまだ こうじ)氏
日本コミュニティファーマシー協会理事 ほか

日本医科大学多摩永山病院、同千葉北総病院を経て、2017年より現職。著書に「抗菌薬サ−クル図デ−タブック」(じほう)、「ベストセラーで読み解く医療情報ナビ」(南山堂)、「インタビューフォームのAtoZ」(ユート・ブレーン)など多数。『治療』、『Rp.+』、『月刊Nursing』などに連載中。